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この記事はRICOH THETA Advent Calendar 2015の20日目の記事です。
RICOH THETA Advent Calendar 2015

THETAの全天球写真で『体験旅行雑誌』をつくってみた。

●THETAの課題は『一般化』

 地球オールスターズという2名ユニットで、THETAやスマホVRを使って日々何かおもしろいことができないかなと考えて試行錯誤しています。
 私たちもTHETAに魅せられ、THETA m15やTHETA Sを当然のごとく購入して日々楽しんでいるわけですのですが、周りのみんなは「おもしろいね!」といいつつも購入まで至っている友人はいません。やはり、THETAの課題に『一部のガジェット好きな人にはウケているけれど、一般の人との接点が少なかったり、購入する決め手に欠ける』ということがあると思います。

●THETAを必ず持って行きたいシーンは、普通のカメラを持って行きたいシーンと一緒

 私たちは、どうしたら一般の人が普通のカメラでなく、全天球カメラで写真や動画を残したくなるかを考えました。まず、自分たちがTHETAで撮影する機会はどういったシーンに多いか?さらに言うと、THETAを必ず持って行き、絶対にTHETAで撮るんだと意気込んで行くシーンはいつか?を考えると、

・旅行に行った時
・友人の結婚式

が必ず撮るシーンでした。そう、普通の一眼レフやデジタルカメラを持っていくシーンと変わりません(ただ、最近は普通のカメラはスマホで十分なのであまり持って行きませんが)。さらに言うと、私たちにはまだ子どもがいませんが、子どもとの思い出もTHETAで残したくなる強いモチベーションになり得ると思います。要するに、よりリアルに思い出を残しておきたいシーン=THETAで撮りたくなるポテンシャルを秘めている、ということになります。

●全天球コンテンツ×VRでつくる『体験旅行雑誌』で全天球写真の魅力に触れてもらう

 そもそも、全天球写真や動画に触れる機会はまだまだ少ないと言えます。全天球撮影をするようになる前に、まずは興味を持つきっかけをつくる必要があり、どうしたらそのきっかけがつくれるかを検討しました。そこで私たちが考えたのが『体験できる旅行雑誌』です。
旅行情報はネット中心になっていながらも、まだまだ雑誌のキュレーション能力は健在で、魅力的な写真と文章で、その場所への興味を引き出してくれます。私たちは雑誌の写真の切り取られた世界だけでなく、その場所に入り込める体験ができたらより一般ユーザが強く興味を持つことに繋がると思いました。
(バーチャルに体験できてしまうと行った気になって、実際に旅行に行きたくなくなると思うかもしれませんが、写真より動画を見た方が旅行会社の成約率が上がるというデータがあります。要するに、よりリアルに見せた方がその場所へ興味を持ちやすくなると言えます。)

魅力的な写真がいっぱいの地球の歩き方(ネパール編)。一度は行ってみたい。

●体験旅行雑誌『ex-trip』を楽しんでみよう!

 実際に北欧旅行時にTHETAを使って撮影した写真を使って、『ex-trip Denmark/Sweden』という特集雑誌をつくってみました(個人出版なのでボリュームは薄いですが)。その一部を画像で公開します。すべてのページが揃ったpdf版は以下からダウンロードできます。

『ex-trip』pdf版のダウンロード

スマートフォンで各ページのQRコードを読み取ると、各スポットの全天球写真が出てくる仕組みとなっています(今回はWeb上での紹介ということでQRコードを読み取る代わりに下の雑誌画像をクリックするとそのスポットへ移動します。)。独自に開発した探索モード機能もつけており、画面上の矢印に中心(+マーク)を合わせると奥の空間に移動して、そのスポットを探索できます。体験旅行雑誌ということでVR対応しているので、Google Cardboardやハコスコを使用して頂くと、そのスポットに没入して楽しめるのでオススメです。
(推奨環境はiPhone6, 6 Plus, 6s, 6s Plusです。一部Android端末では動作未確認です。)

●少しだけ技術的な話

 今回のQRコードからVRコンテンツにジャンプするという仕組みを実現するにはWebでの実装が必須でした。 当初はアプリベースのビューアが主流だったものの、現在はWebベースのVRビューアも増えてきています。しかしデファクトスタンダードと言えるものがなく、動作も不安定なものが多かったため、WebGLを使って自分たちでゼロから開発しました。また、体験旅行ということで空間移動機能が必須要件であったことや自在にカスタマイズできることも自作した理由の1つです。簡単なGUIの操作で体験旅行を作成するためのツールも公開しているため、もし良ければ使ってみてください。

体験旅行クリエーター
全天球画像さえあれば誰でも簡単にVR体験旅行が作成できます。
(PCのChromeで動作します)

●紙で体験を提供する&残す時代になる?

 全天球コンテンツやVRはWebやアプリだけの世界ではなく、旅行雑誌として手軽に手に取ってもらえるものと組み合わせれば、より一般の人に認知され、興味を持ってもらえるきっかけが増えると思います。最近は、Web上でフォーマットに従ってフォトアルバムや雑誌風なものをつくるサービスを利用して、旅行の思い出を残す人も多いので、THETAを使って「マイ体験雑誌/アルバム』をつくって、より思い出を体験として残すというという世界もあり得るのではないでしょうか。


たったこれだけの道具でよりリアルな思い出を。


今回は、全天球コンテンツの世界を一般化させるための地球オールスターズの活動の一部を紹介させて頂きました。